絶対値不等式ソルバー
絶対値を含む不等式(例:|x+a| < b、|x-2| > 3)を解きます。'AND' と 'OR' 条件の違いを、詳しいステップごとの解説付きで理解できます。
絶対値不等式ソルバー
絶対値不等式ソルバー へようこそ。このオンライン電卓は、学生・教師・実務家の方が絶対値を含む不等式を解くときに役立つよう、丁寧なステップごとの解説付きで解を示す総合ツールです。小なり型の不等式('AND' ロジックを用いる場合)でも、大なり型の不等式('OR' ロジックを用いる場合)でも、この電卓は分かりやすい解とともに、背後にある数学的な考え方の理解を助けます。
絶対値不等式ソルバーの主な特徴
- さまざまな不等式の種類: $|A| < b$, $|A| \leq b$, $|A| > b$, $|A| \geq b$, $|A| = b$ の形の不等式に対応します
- 'AND' と 'OR' のロジック: 連立条件(AND)と選言条件(OR)をいつ使うべきかを分かりやすく説明します
- ステップごとの解説: 元の不等式から最終的な解に至るまでの各ステップを確認できます
- 賢い式の解析: 標準的な数学表記をサポートし、省略された掛け算も自動的に認識します
- 特殊なケースへの対応: 右辺が負の数や 0 の場合などを自動検出し、その理由を解説します
- 区間表示: 解を区間表記や集合の形でわかりやすく表示します
- 検算のヒント: 自分の答えをどのように確認すればよいかを学べます
- 学習に役立つ洞察: なぜ絶対値不等式が通常の不等式と異なる振る舞いをするのかを理解できます
- LaTeX 形式の出力: MathJax による美しい数式表示に対応しています
絶対値不等式とは?
絶対値不等式 とは、絶対値を含む不等式のことです。絶対値 $|x|$ は数直線上で $x$ が 0 からどれだけ離れているかという距離を表し、常に 0 以上になります。
絶対値不等式には、解のパターンが異なる大きく 2 つのタイプがあります。
タイプ 1:小なり型の不等式(AND ロジック)
$|A| < b$ や $|A| \leq b$ の形の不等式について:
- 0 からの距離が $b$ より小さい値の集合を表します
- 解は 'AND' ロジックで表され、$-b < A < b$(または $-b \leq A \leq b$)という連立不等式になります
- 2 つの条件を同時に満たす必要があります
- 例: $|x-2| < 5$ は $-5 < x-2 < 5$ と同値で、整理すると $-3 < x < 7$ となります
- 数直線上では 1 つの連続した区間として表されます
タイプ 2:大なり型の不等式(OR ロジック)
$|A| > b$ や $|A| \geq b$ の形の不等式について:
- 0 からの距離が $b$ より大きい値の集合を表します
- 解は 'OR' ロジックで表され、$A < -b$ または $A > b$(あるいは $A \leq -b$ または $A \geq b$)となります
- どちらか一方の条件を満たせば十分です
- 例: $|x-2| > 5$ は $x-2 < -5$ または $x-2 > 5$ を意味し、$x < -3$ または $x > 7$ となります
- 数直線上では 2 つの離れた区間として表されます
絶対値不等式ソルバーの使い方
- 絶対値の中の式を入力: 絶対値の中に入る式を入力します(例: x+3, 2x-5, x など)。次のようなものが使えます。
- 変数: x, y, z など
- 演算子: +, -, *, /(割り算), ^(べき乗)
- かっこ: ( ) によるグルーピング
- 数値: 整数・小数・分数
- 不等式の種類を選択: 次のいずれかを選びます。
- < (より小さい)- AND 条件を生成
- <= (以下)- AND 条件を生成
- > (より大きい)- OR 条件を生成
- >= (以上)- OR 条件を生成
- = (等しい)- 2 つの可能な解を生成
- 右辺の値を入力: 不等式の右辺に来る値を入力します(例: 5, 10, 3.5 など)
- 「計算」をクリック: 不等式を処理し、ステップごとの解説つきの解を表示します
- 解を確認: AND と OR のロジックの違いを意識しながら解の意味を理解します
- 答えを検算: 検算のヒントを使って、自分の解が正しいか確かめます
'AND' 条件と 'OR' 条件の違い
'AND' ロジックを使う場合
$|A| < b$ や $|A| \leq b$ のときは 'AND' ロジックを使います。
- 解は $-b < A < b$(または $-b \leq A \leq b$)という形になります
- 2 つの条件が同時に成り立つ必要があります
- 数直線上では 1 つの連続した区間になります
- イメージとしては「2 つの境界の間にある値すべて」という状況です
- 図示: 数直線上では 1 本の線分として表されます
'OR' ロジックを使う場合
$|A| > b$ や $|A| \geq b$ のときは 'OR' ロジックを使います。
- 解は $A < -b$ または $A > b$(あるいは $A \leq -b$ または $A \geq b$)という形になります
- どちらか一方の条件を満たせばよいので、条件は独立です
- 数直線上では 2 つの離れた区間になります
- イメージとしては「2 つの境界の外側にある値すべて」という状況です
- 図示: 数直線上では両端に伸びる 2 本の半直線や区間として表されます
代表的な例とその解き方
例 1:$|x+3| < 5$(AND ロジック)
解き方:
- 連立不等式に書き換える:$-5 < x+3 < 5$
- 左側を解く:$-5 < x+3$ から $x > -8$
- 右側を解く:$x+3 < 5$ から $x < 2$
- AND でまとめると:$-8 < x < 2$
- 区間表記:$(-8, 2)$
例 2:$|2x-1| \geq 7$(OR ロジック)
解き方:
- 2 つの場合に分ける:$2x-1 \geq 7$ または $2x-1 \leq -7$
- 場合 1:$2x-1 \geq 7$ から $2x \geq 8$、したがって $x \geq 4$
- 場合 2:$2x-1 \leq -7$ から $2x \leq -6$、したがって $x \leq -3$
- OR でまとめると:$x \leq -3$ または $x \geq 4$
- 区間表記:$(-\infty, -3] \cup [4, +\infty)$
例 3:$|x-5| = 3$(等式)
解き方:
- 2 つの場合に分ける:$x-5 = 3$ または $x-5 = -3$
- 場合 1:$x-5 = 3$ から $x = 8$
- 場合 2:$x-5 = -3$ から $x = 2$
- したがって解は $x = 2$ または $x = 8$ です
注意すべき特別なケース
右辺が負の数のとき
右辺が負の数のときは、特別なルールがあります。
- $|A| < -5$: 解なし(絶対値は決して負になりません)
- $|A| > -5$: すべての実数が解(絶対値は常に $0$ 以上なので、常に成り立ちます)
- $|A| = -5$: 解なし(絶対値が負の数になることはありません)
右辺が 0 のとき
- $|A| < 0$: 解なし
- $|A| \leq 0$: 解は $A = 0$ のみ
- $|A| > 0$: $A = 0$ 以外のすべての実数
- $|A| \geq 0$: すべての実数(常に成り立ちます)
- $|A| = 0$: 解は $A = 0$ のみ
絶対値不等式の性質
基本的な性質
- 非負性: 任意の実数 $A$ に対して $|A| \geq 0$ が成り立ちます
- 距離としての解釈: $|A|$ は $A$ から 0 までの距離を表します
- $|A| = |-A|$: 絶対値は 0 を中心に左右対称です
- 三角不等式: $|A + B| \leq |A| + |B|$
解のパターン
- $|A| < b$($b > 0$ のとき)の解は $-b < A < b$ という 1 つの区間になります
- $|A| > b$($b > 0$ のとき)の解は $A < -b$ または $A > b$ という 2 つの区間になります
- $|A| = b$($b > 0$ のとき)の解は $A = b$ または $A = -b$ という 2 つの点になります
絶対値不等式の応用例
絶対値不等式は、現実世界のさまざまな場面で利用されています。
- 誤差範囲: 製造工程における許容誤差(例: $|length - 5| \leq 0.01$ インチ)
- 温度範囲: 許容される温度の変動(例: $|temp - 72| < 5$ 度)
- 距離の問題: ある距離の内側または外側にある点の集合
- 物理学: 速度や加速度などの量の制約
- 経済学: 価格変動や許容されるレンジの表現
- 工学: 公差の指定や品質管理
- 統計学: 信頼区間や誤差の範囲
よくある間違い
- 場合分けを忘れる: $|A| < b$ は $-b < A < b$ になるので、単に $A < b$ としてはいけません
- AND/OR の取り違え: 小なり型は AND、大なり型は OR を使います
- 符号のミス: $|A| < b$ のとき、左側の境界は $-b$(負の数)になることに注意します
- 特殊なケースを無視する: 右辺が負の数や 0 のときは必ず別途確認が必要です
- 区間表記の誤り: 例えば $|x| > 3$ の解は $(-\infty, -3) \cup (3, \infty)$ であり、$(-3, 3)$ ではありません
- 定義域の問題: 分母が 0 にならないかなど、式が定義されない場所に注意します
解を検算する方法
次の方法を使って、必ず解を検算することをおすすめします。
- 値を代入して確認する方法:
- まず解集合の中から 1 つ値を選びます
- その値を元の不等式に代入します
- 左辺を計算し、不等式が成り立つか確認します
- 次に解集合の外から値を 1 つ選び、不等式が成り立たないことを確認します
- グラフを利用する方法:
- $y = |A|$ と $y = b$ のグラフを同じ座標平面に描きます
- $|A| < b$ の場合は、絶対値グラフが水平線より下にある部分を見ます
- $|A| > b$ の場合は、絶対値グラフが水平線より上にある部分を見ます
- 境界値をチェックする方法:
- 解区間の端の値を実際に代入して確認します
- 厳密不等式(<, >)では、境界の値は不等式を満たさないはずです
- 広義不等式(<=, >=)では、境界の値も不等式を満たします
上手に解くためのコツ
- まず最初に、「小なり型(AND)」なのか「大なり型(OR)」なのかを必ず確認します
- 数直線に図を描いて、解の範囲を視覚的に確認します
- 解く前に、右辺が負か 0 かなどの特殊なケースがないかチェックします
- 迷ったときは、具体的な値を代入して成り立つかを調べます
- 絶対値不等式では、解が 1 つの区間ではなく複数の区間になることが多いと意識しておきましょう
- パターンを覚えると便利です:小なり型は 1 つの区間、大なり型は 2 つの区間になります
この絶対値不等式ソルバーを選ぶ理由
絶対値不等式を手計算で解くのは、特に AND ロジックと OR ロジックを区別するときに混乱しやすい作業です。このソルバー(電卓)は次のような利点を提供します。
- 分かりやすさ: AND 条件と OR 条件をいつ使うべきかを明確に説明します
- 高い精度: 信頼性の高いシンボリック数学ライブラリ SymPy を利用しています
- 高速性: ステップごとの詳しい解説つきで、瞬時に解を求めます
- 学習効果: 答えだけでなく、その導き方や背景にある概念も学べます
- 特殊ケースの検出: 端の場合を自動的に検出し、その理由を説明します
- 視覚的な分かりやすさ: 不等式表現・区間表記・集合表記など、複数の形で解を提示します
- 無料で利用可能: 登録や支払いは不要で、すぐに使い始められます
参考になる外部リソース
絶対値や絶対値不等式についてさらに深く学びたい場合は、次の英語リソースも役立ちます。
- Absolute Value - Wikipedia
- Absolute Value Inequalities - Khan Academy
- Absolute Value - Wolfram MathWorld
- Absolute Value Inequalities - Paul's Online Math Notes
このコンテンツ、ページ、またはツールを引用する場合は、次のようにしてください:
"絶対値不等式ソルバー"(https://MiniWebtool.com/ja/絶対値不等式ソルバー/) MiniWebtool からの引用、https://MiniWebtool.com/
miniwebtool チームによる提供。更新日: 2025-12-09
また、AI 数学ソルバー GPT を使って、自然言語による質問と回答で数学の問題を解決することもできます。
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